同じ空間を子どもと一緒に楽しむ 育児も絵本も、楽しんで好きになって絵本作家 宮西達也さんインタビュー
人気の絵本「おとうさんはウルトラマン」シリーズの作者であり、4人の子どものお父さんである宮西達也さんに、パパ流育児&絵本について語っていただきました。 (赤ちゃんBonjour ach 4月号より)
宮西達也 (みやにし・たつや)
1956年静岡県生まれ。グラフィックデザイナー、人形美術の仕事を経て絵本作家に。作品に、小学校2年生の教科書に載っている「にゃーご」(第38回造本装幀コンクール展・読書推進運動協議会賞受賞)、「帰ってきたおとうさんはウルトラマン」「パパはウルトラセブン」「おまえうまそうだな」(ともに剣淵絵本の里大賞)、「きょうはなんてうんがいいんだろう」(講談社出版文化賞・絵本賞)、「おっぱい」など多数。
元々仕事より家事のほうが好きなくらい。お皿がきれいになる、部屋がきれいになる、洗濯物がいい匂い、シーツがパリっとかね。やめられないじゃないですか。おむつ替えも好きでした。うんちのおむつとか、はじめは慣れないけれどできるようになると面白いんですよね。だって子どもはかわいいもの。本当に楽しんで、できることをやればいいんだから。
父親なりの関わり方って
「今のお父さんはエライ。かなり育児も家事もやるでしょ。でも育児ってそれだけではない。それもすごく大切ですよ、奥さんも助かるし、スキンシップはできるし、いいことだと思います。でも、お父さんがどうやって生きているか、そっちの方がずっと大事。だってそれじゃあ、すごく忙しくて夜中勤務のお父さんは子育てできないじゃないですか。
おむつを替えられないとか、子どもと遊ぶ時間がない、それはだめなお父さんかというとそんなことはない。一週間のうち6日子どもと過ごしているお父さんと、1日しかいられないお父さんと、そっちが悪いかといったらそうではない。やっぱり量より質で、いかにその時に子どもと関わっているか、自分がどういうふうに生きているかですよね。お世話をすること=育児ではないと思う。
いとおしいからこそ時に厳しく
自分らしさを見せていけばいいんでしょうか。
「子どもと遊ぶふれあい、高い高いなどでも、お父さんのやることってムチャでしょ。荒っぽい所もそこがいいんですね。できないことを無理やりやるのではなく、得意分野が必ずあるはず。
ただ、子育てというのは、生身の人間を育てるわけですから、厳しくて辛いこともある…。時にはだめだといわなくては。それを勘違いして、仲良しだから、ああいい親子だなあみたいにしていると、それがだんだんだんだんわがままになったり、自分勝手になったりすることも…。
疲れてやりたくないときもありますよね。疲れているけれど、この子はどうしたいかなとか、自分はラクでいいのか?と考えてみる。
何回も教えたのにって思うこともありますよ。でも子どものうちからちゃんとできる子なんていない。怒ったり苦しんだり、面倒くさかったり、それが育児。だけど、親が一生懸命がんばった分だけ、子どもは絶対よくなると思います」
今は昔話を知らない子がいるんですよ。分かっていると思って当たり前に聞くと、桃太郎や浦島太郎を知らない子がたくさんいる。僕らの頃、何でみんな知っていたかというと、やっぱり親が話してくれたからだと思う。絵本は今より全然少なかったけれど、自然とやってくれていたんだね。
まずは自分が面白いと思う本を
「お父さんって、絵本読むときも、子どもがこわいよぉっていっても、またガオ!とかやるでしょ。あれがいい。お母さんだったら、よしよしという感じかな。違う感情表現がありますね」
何を読んでいいか悩んじゃうお父さんもいるのでは?
「一人で本屋に行って片っ端から見て、気に入った本を置いておくのはどうでしょう。
僕は何でも読みました。子どもが好きな本も読んだし、あるものみんなという感じ。子どもの感性って不思議、どうしてここでこんなに笑うんだろうとか。
置いてあるだけで子どもが本を持ってくるし、読み聞かせをしていると、真似して下の子に読んであげたりもしていましたね。
あるお母さんに、子どもが科学の本を読まない、もう少し理科が強くなってほしいからと読ませるんだけど、やっぱりだめなんですといわれました。じゃあお母さんは科学の本好き?と聞くと、私はまったくと。当たり前ですよね。
ただ一つ大事なのは、その本を好きになること。自分の好きな本というのは、読むと面白い所が分かるでしょう。そうすると、読んだとき意識しないでも感情が出るんですよ。悲しい所は悲しそうに、面白い所は笑って。だから流行っているとか売れているではなく、好きな本を何度も読んで自分のものにしてほしいですね。
絵本って、出るまでは作者のものだけど、買っていったらその人のものだと僕は思っています。ビデオや映画などはセリフをいってくれるけれど、絵本は「ありがとう」と書いてあっても、一人ひとり言い方が違うでしょう。僕の書いた気持ちと、その人の気持ちが入る、読む人が監督になれるんです」
ふれあいがしあわせ感に
現在執筆中、みやにしたつや絵本シリーズの3巻目「ヘビくんどうなったとおもう」(ポプラ社)の下書きを見せていただきました! 4月末には書店に並ぶそうですよ。
読んであげたいと思っても、なかなか時間が、という人もいますね。
「僕もそうだけど、読むと眠くなっちゃう。絵本は大変、テレビはラク。見せている間好きなことできますものね。
忙しくて自分の時間がほしいのもわかる、でもたった5分。それだけで道が変わってくるんですよ。子どもがいい感性をもとうとしている時ですからもったいない。
映画やビデオがいけないということではないんです。僕の本も映画になるし、テレビでは動く絵本もある。ただ、やはり見せられるという刺激だけでは、本当の感情とは違うかなと思います。
絵本というのは、めくるときに、どうなるんだろうと想像する。当然、絵本は動かないので、めくるときのリズムも自分で作る。アナログだけど、すごいんです。
絵本は自分が入れるんですよね。自分の空気が作れる、自分の音楽が作れる。想像力という意味では、動画と頭の使い方がぜんぜん違う。
小さい子が理解する言葉で書かれていて、子どもからお年寄りまで、みんなが理解できるのが絵本。それで笑ったり泣いたり。最低条件として、子どもが楽しめるもの、赤ちゃんがかじったりもね」
一緒にしあわせな気持ちを楽しめばいいんですね。
「知識のため、字を覚える、読解力、そういう目的で読むのだったらやめたほうがいい。
楽しいひと時、コミュニケーションのときなんです。読んでいる時間を楽しんで、そして泣いてほしいなと思います。
読み聞かせって、ふれあいながら読むでしょう。お互いがやさしさや思いやりを感じる。たいていそういう子は親になるとまた子どもに本を読んであげますよ」
素敵なお話をありがとうございました。
Webマガジンとしても、前ページ見られます。(http://www.ach-akachan.com/)

全国各地で開催されている「ウルトラパパ みやにしたつやのおはなし会」の様子。

代表作の一つである絵本の主人公・ティラノサウルスの着ぐるみも各地で活躍中。

宮西さんの絵本の読み聞かせに、子どもたちも熱い視線を。精力的に活動され、おはなし会をまだ開催していない県は3つだけ、その内2県は今年すでに予定に。

子どもたちと一緒に絵を描くワークショップも行っています。
*** 著作 ***

「きみはほんとうにステキだね」
宮西達也 作・絵
1,260円(税込)
ポプラ社

「ぼくにもそのあいをください」
宮西達也 作・絵
1,260円(税込)
ポプラ社

「おまえ うまそうだな」
宮西達也 作・絵
1,260円(税込)
ポプラ社




![働く、育てる、暮らす、いろんな私を楽しむ。[biz-mom]](/images/banner_bizmom.gif)







